Quartz Pseudomorph after Anhydrite
Locality: Animas, Mining District, Silverton, San Juan County, Colorado, USA
Size: 56mm x 45mm x 31mm
Weight: 60g

サンファン産クォーツ <アンハイドライト仮晶> (Quartz Pseudomorph after Anhydrite / San Juan)-photo0

商品説明
 クォーツの真っ白い雪で覆われた珊瑚の様な美しい結晶が、思い思いの方向に首を伸ばした、サンファン産のアンハイドライト仮晶です。コンパクトで稀有なサンプルです。

<San Juan Mountains - USA>
 当産地の属するSan Juan Mountainsは、コロラドの南西約25,000k屬鮴蠅瓠標高4,000mを超える頂が20以上、富士山の標高を上回る頂に至っては300をも優に超える大山脈です。San Juan Triangleと呼ばれる、Telluride (San Miguel Co.)、Ouray (Ouray Co.)、Silverton (San Juan Co.)の三地点を結ぶカルデラ地帯からは、金や銀に加えて様々な卑金属や鉱石が採掘されてきました。それに伴い、たくさんの産地からコレクター向けの非常にクオリティの高い標本が産出され、現在でも一級の標本が博物館や個人の古いコレクション等に残されています。
 代表的には、Sunnyside MineやGold King Mine、Idarado Mine、またCamp Bird Mine等で産した、ワイヤー状の自然金(Native Gold)が水晶や閃亜鉛鉱(Sphalerite)、菱マンガン鉱(Rhodochrosite)等と共生する芸術的な標本や、同じくSunnyside MineやGrizzly Bear Mineの淡いピンク色のロードクロサイトが、八面体のグリーンフローライトや石膏(Gypsum)、クローライトクォーツ等と共生する華やかな標本等が広く知られています。他にもRed Mountain Districtでは高品質な硫砒銅鉱(Enargite)や針銀鉱(Acanthite)が、Adams Mineからは水晶と共生するマンガン重石(Hübnerite)が、Barstow Mineでは美しいフローライトと水晶との共生標本など、名産的な標本は枚挙に遑がありません。中でも水晶はSan Juan Triangleのほとんどの産地で見られ、Idarado MineやCamp Bird Mine、またAmphitheaterのPortland MineやOhio Mineでは巨大で高品質なミルキークォーツが産出し、Cunningham GulchのOsceola MineやPride of the West Mineではクローライト入りの緑水晶が、またAnimas DistrictのLittle Giant Basinではセプタークォーツやカクタスクォーツ、セプターアメジストなど非常にバラエティに富んだ水晶が産出しています。さらに先述のPortland Mineでは黄鉄鉱(Pyrite)とグリーンスファレライトを伴った水晶や、Idarado Mineではセプターや両錐、日本式双晶の他にも様々な鉱物と共生した面白い水晶が産出します。また半世紀以上も重晶石(Barite/Baryte)として誤認されていた硬石膏(Anhydrite)仮晶の水晶がSilver Point MineやLittle Giant Basin、Idarado Mine等で見られる他、清楚な輝きが美しいカルサイトやフローライトの仮晶水晶も各所で産出しています。
 標高4,000mを超える厳しい環境における氷結と解氷の激しいサイクルにより、その多くの結晶には小さな欠けが見られますが、それもまた大変に味わい深い貴重な自然の造形の一部として愛されています。あまり知られてはいませんが、個人的に当産地のリバースセプタークォーツとセプターアメジストは、世界でも群を抜いて個性的な非常に美しい標本だと思います。

各鉱物の特徴
<水晶(クォーツ/Quartz) - SiO2 / Trigonal - >
 肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

<硬石膏 (アンハイドライト/Anhydrite) - CaSO4 / Orthorhombic ->
 無色、白色、青灰色、菫色、ピンク色等の、塊状、繊維状、放射状の集合や板状で、岩塩層、熱水鉱脈や黒鉱鉱床などに産出します。直交する3方向の劈開で重晶石と、硬度で石膏と、比重で方解石や苦灰石と識別できます。鉱物名は無水を意味するギリシャ語の”anhydros”に由来し、石膏に含まれる結晶水を完全に失わせることでも生成されるため、無水石膏とも呼ばれます。

<仮晶 (スードモーフ/Pseudomorph)>
 仮晶(Pseudomorphoses)という用語は、1801年に結晶学の父と呼ばれるフランスの鉱物学者René Just Haüyによって最初に提唱されました。一般的に仮晶とは、元の鉱物の外形を保ったまま、結晶が化学的または構造的に変化し、他の鉱物へと一部や全体が置き換わったものを指します。具体的にどこまで仮晶に含めるのか、またその分類法については、学者間でも見解が分かれるため、未だに明確な定義が確立されていません。一鉱物標本店としては、過去の研究を参考に、大まかに下記の5種に分類します。
Paramorph (Allomorph)
 同質異像(Polymorphism)の性質を伴う多形(Polymorph)鉱物による多形仮晶(Paramorph/Allomorph)です。低温水晶(alpha quartz)と高温水晶(beta quartz)に代表されるエナンチオトロピーな相転移を示すEnantiotropic種と、石墨(Graphite)とダイアモンド(Diamond)や水晶(Quartz)とコーサイト(Coesite)、鱗珪石(Tridymite)等に代表される非可逆的なモノトロピー(単変)のMonotropic種に大別できます。多形が2種の結晶形を取るならばDimorph、(TiO2)の多形である金紅石(Rutile)、鋭錐石(Anatase), 板チタン石(Brookite)や、(Al2SiO5)の藍晶石(Kyanite)、珪線石(Sillimanite), 紅柱石(Andalusite)等、3つならばTrimorphと呼ばれます。
Metamict
 メタミクト鉱物は、内包または近接するウランやトリウムによるアルファ粒子という放射線によって、結晶構造が損傷を受け非晶質化させられたものです。メタミクト化されると屈折率や比重、硬度といった様々な特性が低下します。ジルコン(Zircon)や、サマルスキー石(Samarskite)、フェルグソン石(Fergusonite)、ユークセン石(Euxenite)等がこれに該当します。
Exsolution (Entmischung-Pseudomorphosen)
 離溶や固溶体分離とも呼ばれる現象で、高温下で生成された固溶体鉱物が、ゆっくりと冷却されることで他の鉱物に分離したものです。チタン鉄鉱(Ilmenite)が金紅石(Rutile)と磁鉄鉱(Magnetite)や赤鉄鉱(Hematite)に分離した標本が有名です。
Alteration
 成分の獲得や喪失、交換といった化学反応により、鉱物が部分的または完全に置き換わったものです。分類法の見解が多岐にわたることもあり、SubstitutionやInfiltration、Replacement、Alteration等の呼称と定義が混同し煩雑化しているようです。成因によって、a. 成分の喪失(e.g., Copper after Cuprite or Azurite)、b. 成分の獲得(e.g., Malachite after Cuprite、Gypsum after Pyromorphite)、c. 部分的置換(e.g., Goethite after Pyrite, Galena after Pyromorphite)、d. 完全置換(e.g., Quartz after Calcit, Barite, or Fluorite)と大別されます。
Encrustation (Perimorph/ Epimorph)
 他の鉱物に覆われた鉱物が、後に消失したことによって生成された仮晶です。そのうちPerimorph(Epimorph)は空洞の殻が元の鉱物の輪郭の形で残ったもので、Encrustation PseudomorphやUmhüllungspseudomorphosenとも呼ばれます。また、このプロセスを鋳造に見立てて、残った鋳型の部分をMold、その中に侵入して生成された鋳物に該当する鉱物をCastと呼ぶこともあります。ポリへドロイド(Polyhedroid)は、長石(Feldspar)や方解石(Calcite)の仮晶と考えられてきましたが、実際はランダムな角度で交差する方解石の薄板の隙間を埋めたシリカであり、Castに分類されます。さすがに抵抗がありますが、スイスの鉱物学者は、鉱物の表面に残された、消失した他の鉱物の痕跡のことを、ドイツ語で傷を意味するNarbenという用語で呼ぶ慣習があり、これを当カテゴリーの仮晶に分類する説もあります。
 鉱物標本上に限らず、広義の仮晶は目立たない形であまねく存在していますが、一般に鉱物標本店では、AlterationとEncrustationを中心に仮晶鉱物として取り扱う傾向があるようです。

サンファン産クォーツ <アンハイドライト仮晶> (Quartz Pseudomorph after Anhydrite / San Juan)-photo1

▲▼ 純白のサンゴ礁の様な、美しく可愛らしいクラスターです。

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▲▼ 底面側の画像です。こちらはやや荒々しい、ワイルドな雰囲気のクラスターとなっています。

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▲▼ クォーツの殻で若干わかりにくいですが、ポイント状のクォーツに混ざって、所々顔を出している板状の結晶がアンハイドライト仮晶の部分になります。

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▲▼ 雪で覆われたようなアンハイドライト型の結晶が、とても可愛らしく味のある標本です。

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サンファン産クォーツ <アンハイドライト仮晶> (Quartz Pseudomorph after Anhydrite / San Juan)

sjq-21

2,300円(税込)

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