商品説明：
　寂寞とした荒々しい母岩に、赤水晶の形作る鮮烈な真紅の花が咲き乱れた、スペイン産のハシントデコンポステーラクォーツです。刺々しい球体の無数に埋もれた異様な光景が、脳裏に焼き付く圧巻の名標本です。

＜Jacinto de Compostela Quartz / ハシントデコンポステーラクォーツ ＞
　赤色の両錐の単結晶、もしくは、ハリネズミ状に結晶が集合した球体で、泥灰岩（Marl）や石膏（Gypsum）、霰石（Aragonite）等の集合体中に、フローターとして産する自生石英の呼称です。赤色の発色は赤鉄鉱（Hematite）によるものと長年考えられていましたが、2013年発表の研究で、内包される粘土鉱物が発色の主な要因であることが判明しました。具体的には、酸化鉄を含む粘土や有機物、石膏、硬石膏（Anhydrite）、岩塩（Halite）等の含有量が多いほど、赤味が増すとのことです。また、結晶の表面には、微細な苦灰石（Dolomite）や赤鉄鉱、針鉄鉱（Goethite）に加え、デンドライト（Dendrite）を形成する軟マンガン鉱（Pyrolusite）等も伴っていることが多いそうです。キリスト教の三大巡礼地の一つであるサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼者が、かつてお守り代わりに用いたことと、ヒヤシンス（Jacinto）を思わせる美しい形状が、名称の由来となっています。
※軟らかい母岩と共に、水晶自体も結晶内部の亀裂により比較的脆いことが多いので、念のため慎重なお取り扱いをお薦め致します。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

▲▼　岩礁の様に無骨な母岩のそこかしこから、ハリネズミ状の刺々しい赤水晶がフジツボの様に大量に姿を現しています。

▲▼　完全体の結晶の意外にも端正な美しさに驚かされます。露わになった球体の断面も興味深いです。

▲▼　こちら側には小さな両錐の単結晶もパラパラと見受けられます。立体的な構造が迫力のある陰影を描き出しています。

▲▼　インスピレーションを引き起こされる様な圧倒的な独創性と、刺激的で美しい結晶が、異世界の景観を作り上げている、スペインの伝統的名標本です。