水晶、楔石&緑泥石 (Quartz, Titanite & Chlorite)
Locality: 長野県南佐久郡川上村甲武信鉱山
(Kobushi Mine, Kawakami Village, Minamisaku District, Nagano Prefecture, Japan)
Size: 49mm x 13mm x 11mm
Weight: 6g
商品説明:
怪しげに浮かび上がる緑泥の黒マリモが強烈なインパクトを放つ、長野県甲武信鉱山産の角閃石入り水晶のポイントです。背面側には更に白い楔石の微細な結晶がびっしりと張り付き、不気味さを一層盛り立てています。
各鉱物の特徴:
<水晶(クォーツ/Quartz) - SiO2 / Trigonal - >
肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。
<楔石 (チタン石・チタナイト/Titanite) - CaTiSiO5 / Monoclinic - >
金剛光沢の黄色や緑色、赤褐色、灰色、またそれらの中間色等で、火成岩やそのペグマタイト、また変成岩中等に自形結晶や塊状で産出します。日本名は結晶の断面が楔型に見えることに由来する他、スフェーン(Sphenes)という宝石名も持ち、屈折率が高く透明度の高いものはカットして宝石にもされます。理想的な化学式に近いものが少ない鉱物で、成分中のカルシウムは、ナトリウムや希土類によって一部置換され、またチタンもアルミニウムや鉄、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、錫などにより置換されます。チタン石の錫置換体はマラヤ石(Malayaite)と呼ばれています。
<緑泥石(クローライト/Chlorite) - A5-6T4Z18 (A = Al, Fe2+, Fe3+, Li, Mg, Mn, or Ni / T = Al, Fe3+, Si, combination / Z = O and/or OH) / Monoclinic - >
10数種ある緑泥石のグループの総称で、種によってマグネシウムや鉄、アルミニウムなどを主成分とします。鉄の含有率に比例して色調が濃くなり黒に近付きます。輝石や角閃石、黒雲母などが変質した石として、火成岩中や熱水鉱床の中にも広く見られます。独立した鉱物名ではありませんが、不特定な緑泥石グループの鉱物のことを単に緑泥石と呼ぶのが通例になっています。クリノクロア石(Clinochlore / Mg5Al(AlSi3O10)(OH)8)、シャモス石(Chamosite / (Fe2+,Mg,Al,Fe3+)6(Si,Al)4O10(OH,O)8)、クーク石(Cookeite / (Al,Li)3Al2(Si,Al)4O10(OH)8)等が代表で、クロムを含む美しい赤紫のクリノクロア石は菫泥石(Chromian Clinochlore / Kämmererite)と呼ばれています。
▲▼ ポイントの一番目立つ位置に緑泥石の不気味な黒い球体が浮かんでいます。
▲▼ ポイント内側から断面を見せる半球体もなかなかインパクトがあります。マリモ水晶と呼んで良い程度には、内外に緑泥のマリモを伴っています。
▲▼ 背面側にはびっしりとグロテスクな程に楔石の結晶が張り付いています。結晶自体はなかなかスポットを浴びることのない白色で、非常に美しい形状をしています。
▲▼ 足元の表情も当産地らしい趣があって好きです。雰囲気とインパクトたっぷりの良標本です。