商品説明：
　母岩上に柔らかな輪郭と澄み切った透明感のスモーキークォーツが多く横たわり、煤をかぶったような美しいアンティーク感のあるスイス産の標本です。1940〜50年に作成された貴重なヴィンテージラベル付きです。

各鉱物の特徴：
＜煙水晶(スモーキークォーツ/Smoky Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　水晶中のアルミニウム・イオンが放射線に反応することにより、このように茶色又は黒っぽい色になります。この原理を利用した人工着色のものもありますが、いずれも安全性の面で問題はありません。こちらは天然の煙水晶です。光を透過させない程に黒い煙水晶はモリオン(黒水晶/Morion)とも呼ばれています。

▲▼　両錐を含む小振りなスモーキークォーツが母岩上にたくさん横たわる、味のある標本です。背面下部のナンバリングシールは、あえて残してあります。

▲▼　クリアで輪郭の柔らかい、スイス産らしい清澄な結晶が贅沢に並んでいます。

▲▼　表情や形状も多彩で、小振りながらも嬉しいボリュームです。

▲▼　このラベルを作成した"Staatl. Mineralien-Niederlage"は、ドイツの鉱山都市ザクセン州のフライベルク("Freiberg, Sa.")にある、鉱山学と冶金学（金属工学）の分野で世界最古の大学 "Freiberg University of Mining and Technology" が、1767年に学生への教育目的で、鉱物標本の収集と販売のために創設した機関です。シールにも記載されている右上の"955"はカタログナンバーで、現在3,000を超えるナンバリングのものが確認されています。ラベルに残された幾つかの手がかりから、こちらは1940〜50年の間に作成されたものであることがわかります。鉱物名の"Rauchquartz（スモーキークォーツ）"と、産地の"Scopi, Graubünden（Grisonsのドイツ名）"の文字は薄くなっていますが、当時の管理者Felix Otto EDELMANNの直筆である可能性があります。保存状態は良好とは言えませんが、この標本と同様、世界に一つしかないのは確かです。標本自体もアンティーク感があって充実しているので、並べて飾るにも相性は抜群だと思います。受け継いでくれた人の手の歴史を感じながら鑑賞する標本も、また感慨深い喜びのあるものです。