Sphalerite, Siderite, Quartz, Calcite, Pyrite & Arsenopyrite
Locality: Trepča Stan Terg Mine, Trepča complex, Trepča valley,
Kosovska Mitrovica, District of Kosovska Mitrovica, Kosovo
Size: 40mm x 37mm x 24mm
Weight: 43g

コソボ産スファレライト、シデライト&クォーツ (Sphalerite, Siderite & Quartz / Kosovo)-photo0

商品説明
 当産地の代表的な鉱物が、同じく名産の通称ホワイトロードクロサイトに覆われた、コソボ産の良質なサンプルです。艶やかなスファレライトやアーセノパイライトに、ニードルクォーツが印象的です。
※当標本は産地又は鉱物の特質上、成分中に砒素を含む毒性の高い物質の付着している場合がございます。念のため火気や水気等を含む高温多湿を必ず避け、自己の責任においてお子様の手の届かない冷暗所に厳重に密封の上、保管・管理くださるようよろしくお願い申し上げます。セージや水洗い等もお控えください。

 ローマ時代や中世から続くとも言われる長い歴史を持つこの産地では、硫化鉱物を中心に現在60をも超える種の鉱物が報告されています。鉄分の豊富な漆黒の閃亜鉛鉱(Sphalerite/Marmatite)や、様々な晶癖を成す方鉛鉱(Galena)と硫砒鉄鉱(Arsenopyrite)、また黄鉄鉱(Pyrite)のみならず時には方鉛鉱の仮晶をも見せる磁硫鉄鉱(Pyrrhotite)、方解石(Calcite)を黒く着色するタワシの様なブーランジェ鉱(Boulangerite)、クリームピンクの大きな菱面体の苦灰石(Dolomite)、そしてそれらを花飾りの様に美しいピンク色で彩る菱マンガン鉱(Rhodochrosite)の個性的な共生標本には、形容し難い独特の不思議な違和感とエキゾチックな風合いがあり、様々な組み合わせで驚かせてくれます。また球状や花弁状に集合した白〜クリーム色の菱鉄鉱(Siderite)は菱マンガン鉱との中間種と考えられ、現地では”White Rhodochrosite”としても認識されています。さらに藍鉄鉱(Vivianite)やチルドレン石(Childrenite)、ラドラム鉄鉱(Ludlamite)等の美しい燐酸塩鉱物が産するのも大きな特徴の一つです。蛍石(Fluorite)の報告こそ未だ無いものの、Dal’negorskのNikolaevskiy MineやMexicoのSanta Eulalia、中国のYaogangxian Mine等の標本がお好きな方には是非ともお薦めしたい産地です。

各鉱物の特徴
<閃亜鉛鉱 (スファレライト/Sphalerite) - ZnS / Isometric - >
 純粋成分の無色や白から、鉄の含有量の増加と共に、透明薄黄緑色(Cleiophane)、黄褐色、赤褐色(Ruby Blende)、黒色不透明(Marmatite)と色調が変化していく鉱物で、日本でも透明感のある黄褐色〜赤褐色のものはべっ甲亜鉛の名で親しまれています。六方晶系のウルツ鉱(Wurtzite)とは同質異像で、自形結晶が明瞭な場合のみ肉眼でも識別できます。方鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱等と共に、 熱水鉱脈、黒鉱鉱床、接触交代鉱床等に産出し、結晶形態は四面体、八面体、十二面体と多様でスピネル式双晶も多く見られます。方鉛鉱(Galena)や白鉄鉱(Marcasite)等を含む褐色の層状鉱はシャーレンブレンド(Schalenblende)という鉱石名で呼ばれる他、閃亜鉛鉱の二次鉱物としては、菱亜鉛鉱(Smithsonite)、異極鉱(Hemimorphite)、水亜鉛銅鉱(Aurichalcite)などがあり、登場する機会の多い鉱物です。
<菱鉄鉱 (シデライト/Siderite) - FeCO3 / Trigonal - >
 全ての堆積岩、火成岩、変成岩から広く産出する鉄の炭酸塩鉱物で、英名の語源はギリシャ語で鉄を意味する”sideros”に由来します。鉄はマグネシウムやマンガンに置換されて菱苦土石(Magnesite)や菱マンガン鉱(Rhodochrosite)と連続固溶体を形成する他、方解石(Calcite)や菱亜鉛鉱(Smithsonite)とも同じ結晶構造を持ちます。結晶はしばしば表面の湾曲する菱形六面体で、板状や柱状の他、ぶとう状、粒状、球状、塊状等で産出し、灰色や黄褐色から白色、緑色を帯びるものもあります。
<水晶(クォーツ/Quartz) - SiO2 / Trigonal - >
 肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。
<方解石(カルサイト/Calcite) - CaCO3 / Trigonal - >
 最も広く産出する炭酸塩鉱物で、結晶の形は菱面体、犬牙状、六角柱状、釘頭状、板状、葉片状などと多様です。色も無色や灰白色に始まり鉄分を含んだ黄色やマンガンの入った蛍光性を持つピンク、青、緑、黒等と実に多彩です。有名な複屈折や、菱面体に割れる三方向に完全な劈開、塩酸で発泡して溶けることなどで容易に識別できます。
<黄鉄鉱 (パイライト/Pyrite) - FeS2 / Isometric - >
 稜に平行な条線が発達した六面体や八面体、五角十二面体、またその組み合わせによる淡い真鍮色の結晶が典型で、熱水性鉱脈鉱床、接触交代鉱床、黒鉱鉱床等に広く産出します。黄銅鉱(Chalcopyrite)とは黄色味が薄いことや、条痕が黒いことで識別できますが、同質異像の白鉄鉱(Marcasite)とは、明確な結晶形が出ていない限り識別が困難です。自然金とも色調が似ているため愚者の金(Fool's Gold)という俗称もあります。球顆状の集合体や薄く放射状に集合したもの(Pyrite Sun)、黄鉄鉱化アンモナイト、また国内では「武石」や「枡石」とも呼ばれる褐鉄鉱化した仮晶まで、色々なパターンで出会える面白い鉱物です。
<硫砒鉄鉱 (アーセノパイライト/Arsenopyrite) - FeAsS / Monoclinic - >
 銀白色〜鋼灰色の金属光沢で、菱形の板状や柱状の自形結晶として、また塊状、粒状でも産出する砒素と鉄の硫化鉱物です。酸化により表面に虹が出たり真鍮色に変化したりしますが、産地によっては銀白色を保つものもあるそうです。接触交代鉱床や熱水鉱床、気成鉱脈などに広く産出します。硫砒鉄鉱そのものは有毒ではありませんが、念のため手に触れた場合にはすぐに洗浄するようにしてください。

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▲▼ パイライトの金粉を振りかけられたホワイトロードクロサイトが、スファレライトやアーセノパイライト、カルサイト、クォーツ等を巻き込み覆い被さっています。なかなかに上質で美しいホワイトロードクロサイトです。

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▲▼ 詰め込んだ割に、意外と味のある豊かな景観を楽しませてくれます。

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※下記事項を予めご了承の上お買い求めいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・商品のサイズをよくご確認の上お買い求めください。なお、測定部分や測定方法により記載のサイズと若干の誤差の生じる場合がございます。
・画像中のミネラルタックやアクリルベースは商品に付属されません。
・商品画像につきましては、実物の色彩や質感の再現に努め、特殊な環境下で撮影した上で処理を加えております。また、お使いのデバイスおよびモニターの設定、環境等によっても色合いが異なって映し出されます。
・商品が傷付かないよう梱包には細心の注意を払わせていただいておりますが、天然鉱物の繊細で脆い特質上、輸送中のわずかな衝撃や揺れによって微細な結晶や粉末状の結晶の乖離が起こる場合がございます。商品の主要な部位以外の損傷による交換・返品はお受けできない場合がございます。

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